業界初のインプラント 松戸
「食文化」としての駅弁の評価や人気も高く、この時点で駅弁当のもつ食品としての側値は世界的なレベルに達していた。
かつての日本食堂にフランスのル・モンド紙が取材に来て、駅弁のもつ豊かな昧、彩りの美しさ、その生産システムに驚惜し、絶賛した話を聞いたことがある。
また大阪万博が開催されたこの年こそ、先に述べた近代外食産業誕生の年にあたり、コンビニ弁当が広まるのは、この五年後くらいと思っていただきたい。
ところがコンビニがいったん広がると、コンビニ弁当が市場を席捲し主力商品となった。
現在全国でおにぎり、サンドイッチまでいれると、おそらく一日一000万食は売っており、従来の駅弁とは桁違いの販売量に成長している。
このように弁当は、「駅弁」から「コンビニ弁」へと主役が移り変わり、およそ一二O年の歴史を有する駅弁は、世界一の食文化の素質を持ちながらも基本的な部分で、改善・発展が止まっていたように思う。
それは①そもそも弁当は、米をはじめ「厳選された素材」が大切だが、その素材の品質向上が不足していたこと。
②一二0年間改められていないことだが、「冷たい状態」でしか弁当を食べられないこと。
③賞味時聞が延びた代償として、合成保存料などの使用が当たり前となり、それらを使わない正直な製造業者は常に「食中毒の危険」から逃れられないこと。
などである。
日本の弁当が世界に名だたる優れた食文化だとするなら、日本人のみならず世界の人々が、求めて食べたがるようなものを作っていくべきだろう。
これまでの弁当の欠点を克服するためには、有機栽培米という味のいい米など、これしかないという、本物の価値ある食材で弁当を作るべきなのである。
いつまでも冷たい弁当をお客さんに食べさせておくわけにはいかない。
冷たい弁当では中国人や韓国人は食べてくれないという話も聞く。
かつて国鉄時代の駅弁は、製造後四時間しか賞昧時間が認められず、新鮮さを売り物にしていたが、反面、弁当業者は販売時間が短すぎることに泣かされていたものだ。
いまでは駅弁は一二時間、コンビニ弁は二四時間以上となっているが、賞昧時間を延長するには衛生管理をよほど良くするか、合成保存料などに頼るかのどちらかになる。
NREとしては、前者の衛生管理を徹底して、自然のままの弁当つくりの道を歩んでいるが、ほぽ一00%食中毒の心配がない弁当としては、これから述べるレトルト製法(高渦高圧製法)か、冷凍弁当ということになる"たろう。
これらの場合は、駅弁一二0年間の悲願であった、温かく食べられまた、ることも可能となる。
最終的には冷凍弁当を選んだわけだが、冷凍弁当のよさは、合成保存料の世話になることなく食中毒の心配はほぼ一OO%取り除かれる。
そのうえ電子レンジなどで解凍すれば温かく食べることが可能となり、賞味期限も最低一年は保証される点にある。
一九九七(平成九)年には弁当改善宣言を発表し、これからの日本の弁当のモデルを提案しようとした。
それまでも弁当の改善策には何度か取り組んできたが、それは「弁当がまずい」という苦情に対する対処療法的な改善策でしかなかった。
これに対し今回の改善宣言は、「品質改善」「温かNRE弁当製造技術の歴史→フローズンの時代へフレッシュレトルト冷凍駅弁生活HOT TECH BENTO O-bento-1997- 1998 2001-製造常j昂-100'(; 105"C、1.2気圧~ 液体窒素冷凍169'(;流通10'(;帯70'(;帝-20'(;以下生産クリーンルームレトルト釜(生菌はゼ口) クリーンルーム食味O 。
野菜などに問題あり。
ごIJ園l1li1、4T23恥×冷(加温危険) 。
;~(;1ffi蔵庫) (Q);!fi (電子レンジオーブン)保存12時間3カ月1年間く食べられる」「化学物質に頼らないの解放こという根本的な改拡色白であった。
一つは、製造方法は既存のやり方を踏襲しながらも、「品質」を格段に上げることだ。
弁当の命である米については、是が非でも「有機栽培米」を使い、野菜や魚肉、調味料などの素材も厳選する。
製造については、無菌室構造の工場で「HACCP (危害分析重点管理法こという近代的な衛生管理手法を導入し、合成保存料などには原則頼らない、自然食品と呼べる弁当つくりを目指した。
また、糖尿病でカロリー制限を要する方々もいることから、JR病院の担当の先生や栄養士を交えて研究した「すこやか弁当」と名づけた低カロリー弁当をはじめ、需要にあわせ二0種類ほどのメニ(食中毒からューを考案した。
もう一つが、二一世紀型ともいえる「オーべン卜l―(O|bento) 構想」である。
これは一二O年の伝統を有する弁当のあらゆる問題を一挙に解決し、できるだけオーガニック食材を使い、弁当を世界の食品として広められないかという、一大構想の「冷凍弁当プロジェクト」だった。
アメリカなどではブームといわれるくらい和食が広まっている。
これに対し日本では、米の消費量は年々低下し、米離れはとどまる気配がない。
現在はコンビニ弁当などが売れているからいいようにも思えるが、先述したように弁当には致命的な弱点があり、改良すべき問題があるのだ。
そこで、NREは弁当改善宣言に続いて弁当革命を起こし、最高の品質の理想的な弁当を作るプロジェクトを一九九八(平成一O)年に発足させた。
最初に手がけたのは、当時NRE商品本部長だった若菜輝夫氏の陣頭指揮で、レトルト製法(タンクの中で一気圧以上、一OO度Cを超える高温高圧処理を行う製法)による弁当の製造・販売であった。
有機栽精米のほか優れた素材の野菜、魚などのを用い、天然調味料で味付けし無菌調理工程で衛生的に製造した、理想的な弁当つくりを目指し、無菌工程はレトルト製法によることとし、日本に二台しかない高額の炊飯機械を購入し、上野の工場でスタートさせた。
一九九八(平成一O)年末にホット・テック弁当(のげの意)として、東京駅など数駅で一日三000食ほど販売した。
メニューはサケ、ホタテ、アワビなどを使った魚弁当に、牛肉、鶏肉弁当など、のちのオーベン卜―の原型をなすものだった。
この弁当はオーガニック食材、レトルト食品なので無菌のうえ、昧もよかったが、色合いが悪くなったり、歯ごたえがなくなるといった問題点があり、改良に苦労した。
アメリカンレストラン「GOODTIMES」有機栽培米は国産を探したが、確かなものはほとんどなく、当時NREが新宿駅で営業していたで使用していたカリフォルニア政府認証(CCOF) のオl―ガニック米を使った。
日本におけるJAS法の改正によって、有機栽培の認証制度ができるのはその後二年を待つ必要があった。
また流通にあたっては、七O度Cの高視流通をはかるため、日本航空(当時)が国内機内食用に在庫として持っていた保温カー卜を有料で譲ってもらい、史上初めての高温流通弁当の販売に踏み切った。
弁当を無菌調理することにより食中毒に対するの恐怖からは開放できたはずだが、温かいままで流通させ、温かい状態で売ることは、保健所がOKしていたとしても勇気のいることだった。
買ったお客さんがいつ食べてくれるのか、また新しい製法の弁当であるだけ「オーベン卜ー」の年に万一不良品が出たら、どのような事態を招くか想像もできない。
経験も浅く、正直言って不安な船出だったが、社員の努力によって何事も起こらず、お客さんの評価もまずまずだった。
これによって、日本の弁当史上初めて温かい弁当を、防腐剤も何も使わず世に送り出すことができた。
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